Mr.Children完全復活。『REFLECTION』の「FIGHT CLUB」は俺のことを歌ってくれた
Mr.Children完全復活
前作『[(an imitation) blood orange]』が、賛否両論…
否の意見のほうが目立っていました。
レビュワーのみなさんいわく
「小林武史はもういい」
「同じような曲が増えてきた」
「ピアノとストリングスばっかり」
等。
僕も、
一曲めの「hypnosis」はよかったですし、
二曲めの「Marshmallow day」は
あらゆるミスチルの曲と比べてもトップクラスにいいですが、
逆に言うとそれ以外は…という感じでした。
何よりミスチル自身が、
「自分たちは魔法の解けてしまった、
過去ばかりが輝くイミテーションの木だ」
と語る、
ジャケットの色のように、
オレンジならぬ斜陽感ただようアルバムになっていました。
復活フラグ
[(an imitation) blood orange]が発売されたのが、
2012年11月28日。
似ている曲ばっかりだ、
バンドサウンドがなくなった…
と言われ、
まるでそのネットの意見へのアンサーソングのような
REM
が2013年5月29日に配信限定でリリースされました。
「Fake」よりも「ニシヘヒガシヘ」よりも尖った曲。
僕は好きでしたが、これはこれで賛否両論になってました。
しかし、確実にこれが復活フラグになっていたと思います。
まだロックバンドやるぞ
という。
そして2014年5月、小林武史との決別。
小林武史氏は、ミスチルのブレイクにおいて、
『深海』後にポップにまた戻す上において、
その後も桜井さんのメンタルケアにおいて、
多大な貢献をしてきたとは思いますが、
最近のミスチルには正直足を引っ張っている…
というか、小林色にしすぎている感があったので、
僕は決別は賛成でした。
今作『REFLECTION』。
キーボードとして小林武史氏は入っていますが、
影響は限定的。
やっぱり今のミスチルにはいないほうがいいことが証明されたのでした。
『REFLECTION{Drip}』全曲感想
1、未完
イントロのギターが鳴りだした瞬間、
このアルバムで復活するのではないかという予感がし、
「さぁ行こうか 常識という壁を越え
描くイメージはホームランボールの放物線
そのまま消えちゃうかもな
いいさ どの道いつか骨になっちまう」
という出だしで、
このアルバムでミスチルは復活するんだという確信を得ました。
ミスチルのアルバムの一曲めはハズレなしの法則が2015年も継続されたのです。
2、FIGHT CLUB
名曲揃いのアルバムで、一番刺さった曲。
後述します。
3、斜陽
夏の終わりを歌った歌。
でも、『[(an imitation) blood orange]』
ほどの斜陽感はないです(笑)
静かですが、明るいです。
4、Melody
まさにJ-POPの「Melody」の、
J-POPなめるな、という曲。
希望に満ちた曲。
5、蜘蛛の糸
小林武史氏色の強い曲。
6、Starting Over
「追い詰めた モンスターの目の奥に
孤独と純粋さを見つける
捨てられた子猫みたいに
身体を丸め怯えてる
あぁこのままロープで繋いで
飼い慣らしていくことができたなら」
桜井さんの優しい目の奥に、
モンスターが棲んでるんですよね。
それは「#2601」やインタビューなどでチラ見えすることもありますし、
「Monster」などでハッキリ見えることもあります。
その葛藤こそが桜井さんで、ミスチルの旨みなんですよね。
7、忘れ得ぬ人
ワン・ダイレクションぽい曲をやりたかったという説を目にしますが、
ちょっとよくわからないです。
「甘く切なく響く 君が弾くピアノのコードに
ひとつの濁りも無く
優しく僕を包んでくけど」
「君の望み通りに
卒なくこなす僕もいる
何食わぬ顔をして満足げに振る舞えるだろう」
小林武史氏のこと?
8、Reflection
アルバムの途中にインストゥルメンタルが入るなんて初めてですよね。
そしてそれがタイトルという。
9、fantasy
「『出来ないことはない』『どこへだって行ける』
『つまずいても また立ち上がれる』
いわゆるそんな希望を 勘違いを 嘘を
IDカードに記して行こう」
完全にJ-POPを背負う宣言ですね。
10、REM
REMみたいな個性的な曲ってアルバムっていうパッケージの中に収まることで、また輝きますね。
配信のときは、尖っているミスチルをやってくれた嬉しさと同時に、
どこまでも行っちゃうんじゃないかという不安感もあったので。
「FIGHT CLUB」の次に好きです。
10、WALTZ
「朝まで 静かに 踊って
その後 この手で殺すぜ」
モンスターがチラ見えしましたね。
11、進化論
「今日も廻ってる あぁ この世界 愛しき世界
君と明日も廻していこう」
It’s a Wonderful Worldですね。
完全復活ですね。
12、幻聴
イントロのドラムがかっこいいです。
そこから始まる字余り気味の歌もかっこいい。
13、足音~Be strong~
最初に聴いたときは、
「また小林武史節かー
置きにいって小ヒット狙う感じか」
と思いました。
しかしこの曲は、小林氏と完全に決別したシングルだったのです。
桜井さんと小林武史氏は、もしかしたら渾然一体、
ヒロトとマーシーのような感じになっていたのかもしれません。
そしてよく聴いたらいい歌。
桜井さんがインタビューで
「いつも狙いには行ってるんですが…」
と言ってましたがわかります。
90年代なら余裕で100万枚行っていたでしょう。
『REFLECTION』は、次のミスチルの一歩が見えるような、
完全復活のアルバムとなりました。
「FIGHT CLUB」は俺のことを歌ってくれた
ミスチルの真骨頂は何か。
これは、放送作家のおちまさと氏がおっしゃっていました。
「100万枚売るモンスターバンドなのに、
聴いてみると、自分一人に歌っているように思える」
これです。
そして、「FIGHT CLUB」は、僕一人に向かって歌っていました。
「99年 ミレニアムを間近にしてナチュラルハイ
世界中が浮足立ってた そしてお前は
ファイトクラブでブラピが熱演してた イカレた野郎に憧れてた」
…これ、1999年の僕を見て書いたとしか思えませんよね。
「仮想敵見つけ
そいつと戦ってた
誰も相手になんかしてないのに」
「真の敵見つけ
そいつと戦わなくちゃ
少しづつ怖いもんは増えるけど
死を覚悟するほど まして殺されるほど
俺たちはもう特別じゃない」
敵は、
物質主義社会でもなく、
巨大組織でもなく、
政府でもなく、
大人たちでもなく世界でもなく、
己の弱き心ですよね。
これ、僕に言ってくれてますよね。
こういう曲が出てくるのが、完全復活の証です。
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