鳥山明先生脚本の最新作

ドラゴンボールの映画『復活のF』が公開されました。

ドラゴンボール。
1984年から1995年まで週刊少年ジャンプで連載された、
超人気漫画。
累計発行部数は完全版を含み国内で1億5721万部以上。
テレビアニメは11年間平均視聴率20%以上という怪物漫画です。

人気がありすぎて、すぐに終わりというわけにはいかず、

アニメでは「ドラゴンボールGT」という続編が、

映画では

『復活のフュージョン!!悟空とベジータ』
『龍拳爆発!!悟空がやらねば誰がやる』

という作品が、鳥山明先生原作ではなく創られていました。

時を経て、2013年。

突如鳥山明先生原作の劇場版『神と神』が発表されました。
これは、監督の細田正弘氏が
「震災後、子どもたちにドラゴンボールで元気な笑顔を取り戻してほしいというのがあってスタートした形だった」
という思いで作られたということです。

亀仙人召集

そして今回の『復活のF』。

前回の続きから始まり、
悟空とベジータはウイス(神と神に出てきた最強のキャラクター)に修行をつけてもらっていました。

そしてフリーザが復活し、
悟空が来るまで戦って時間稼ぎをすることになりました。

そこで出てきたのが、

 

  • 孫悟飯
  • クリリン
  • ピッコロ
  • 天津飯

 

そしてなんと、
亀仙人です。

悟空より強くなる時もある孫悟飯はわかります。
サイヤ人達と魔人ブウの次に強いピッコロもわかります。

クリリンは戦闘力的にはそこまででもないですが、
創業時からのメインキャラですし、
フリーザには殺された因縁がありますし、
出てきてもおかしくないです。

注目すべきは天津飯。
魔人ブウでも、18号でも、悟天でも、トランクスでもなく、
天津飯に召集がかかるというのがいいですね。

そして、戦いが始まります。

強さのデフレ

珍しく出てきた天津飯と亀仙人。
出てきても、本来は後ろのほうで怯えていたり、
見せ場はせいぜい気功砲一発撃つくらいで、
一撃で負けたりしていました。

しかし…

なんと今回は活躍するのです。

亀仙人は、筋肉ムキムキの戦闘態勢になり、
杖やかめはめ波を駆使し、フリーザ軍を倒します。

天津飯も独自の体術でフリーザ軍をさばきまくり、
追い詰められたと思っても気功砲でまとめて倒します。

これはどういうことなのか。

ドラゴンボールの後半では、
「強さのインフレ」
という言葉が使われました。

インフレとは、
物価が際限なく上がり続けてしまうこと。

ドラゴンボールは後半、強さに歯止めがかからなくなっていました。

戦闘力18000の惑星ベジータの王子ベジータ…
を遥かに上回る、宇宙一強いと言われていて戦闘力が53万あったフリーザ…
を一瞬でバラバラに斬った未来から来た少年・トランクス…
が恐れていた人造人間…
よりも強い、神と融合したピッコロ…
をしのぐ強さを持つ卵から生まれたセル…。

のような。

さらに魔人ブウ編では、
セルと同じ強さのダーブラがブウに一瞬で殺され、
そのブウもまだ最高の強さではなく、スーパーサイヤ人3の悟空に制され、
二段階目の魔人ブウに地球は滅ぼされかけますが、
ゴテンクスがそれを阻止し、
ゴテンクスを取り込んだ魔人ブウが悟飯に制され、
悟飯を取り込んだ魔人ブウが最後、悟空とベジータがフュージョンしたベジットに負けるという、
戦闘力がなんなのかもはやわからない展開になっています。

そのインフレの中で、
いわば「現金」のような
天津飯やクリリンは、チリのような存在になっていました。
亀仙人なんか、もともと戦ってたことなど忘れられるくらいです。

それがまさかの大活躍。

まさに今回、

強さのデフレ

が起こったのです。

強さのインフレは、子供たちにワクワク感を起こさせました。
次はどんな強い奴が出てくるんだろう、楽しみだと。
実際、トランクスがフリーザを一瞬で斬って、
そのトランクスが恐れる人造人間…まではよかったと思います。

ところがその先は、戦闘力の基準がなんなのかもわからなくなり、
あまりに桁が大きくなってくると、ワクワクも、
驚きもなくなってしまいました。

何より、インフレに対応できるのが、
悟空、ベジータ、悟飯、トランクスという
サイヤ人系だけで、
地球人はずっと憂き目を見てきました。

今回のデフレで、クリリン天津飯亀仙人にスポットが当たり、
キン肉マンや聖闘士星矢や、
昔のドラゴンボール映画のように楽しむことができました。

細かい演出

他にも、細かい演出がよかったです。

フリーザが復活したということをスカウターが壊れることで表現したり、
バイクのカーチェイスみたいなのをやったうえで飛んだほうが早いオチがあったり、
亀仙人が戦闘モードになったり、
クライマックスに向けて会話が前フリになっていたり…。

これで終わらず、

監督 山室直儀
脚本 鳥山明
原作 鳥山明

で、次回作も作ってほしいものです。

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コーイチロー
元東京NSC7期生の売れない芸人。R-1GP2011一回戦突破。フライデーナイトライブ二位。『格闘技LOVE』『元売れない芸人の独り言』管理人。ストリートシュガーリンダ『お笑い芸人たちのあんなことこんなこと』執筆。