超高速!参勤交代
出典:http://eiga.com/movie/79398/gallery/

痛快歴史エンターテイメント!

元文元年春。8代将軍・徳川吉宗の治める江戸幕府から、東北の小藩・湯長谷藩(ゆながやはん)は、急遽5日で行うよう命じられる。
通常でも8日かかる上に莫大な資金を必要とする参勤交代をわずか5日…。それは藩にある金山を狙う老中・松平信祝(陣内孝則)の謀略でだったのである。

弱小貧乏藩である湯長谷藩の藩主・内藤政醇(佐々木蔵之介)は困惑しつつも、家臣たちと知恵と力をを絞って参勤交代を完遂させようと奮闘する。
道中、様々な刺客やアクシデントに見舞われる一行。果たして超高速な参勤交代は成功するのか!

参勤交代って…大変だぁ…!と思いつつ、こんなに真剣なのに、いやこんなに真剣だから、笑ってしまう!?江戸時代の超高速をとくとご覧あれ!


出典:http://www.cho-sankin.jp

もっと映画を楽しむための参勤交代のあれこれ

参勤交代とはご存知!「江戸にて各地の大名の妻子を人質にとり、更に定期的に往来させ、経済的負担をさせる制度」で、反乱を阻止するための政策です。
まずは、参勤交代流れについて書いてみます。

  1. 春に自国を出立して江戸へ
  2. 江戸に到着したら将軍にあいさつし、自国の江戸屋敷で1年過ごす
  3. 春になったら江戸から自国に戻る
  4. 次の春にまた江戸に行く

これを各班AグループBグループで順番に行っていたのです。参勤交代からかえって来たばかりの彼らに課せられた試練の壮絶さが伺えます。

そして次に、作中でも問題になっていた、気になる「参勤交代の費用」。
例えば、加賀藩(現在の石川県)では現在でいうと『約2億円』がかかったという記録があるそうです。
これは…突然に参勤交代を命令されてもの本当に困るのがよくわかる金額です。

最後は参勤交代の行列の長さについてです。作中お金とともに問題になったのが“人数”です。大名行列は行列が長くて立派なものがより力をもっているという証でした。
そのため自国のプライドを賭けてなるべく沢山の行列を作る為に、今で言う「アルバイト」を雇っていた大名がいたとか。
作中で雇われて加わってる人たちがいるのですが、あれは当時よくあったお話のようです。

これをふまえて彼らの参勤交代がいかようになったのか…!思い出すだけでもクスッとしてしまいます!

引用:https://gakumado.mynavi.jp/gmd/articles/3984?page=3

脚本は2011年『城戸賞』受賞作品!

『城戸賞』とは新人脚本家を発掘するため、映連「城戸賞運営委員会」が主催する賞で受賞作品は映画化するというふれこみの賞です。
しかし、2003年に受賞した和田竜(わだりょう)の『のぼうの城』以来、実現していないなかったのです。
そんな中、この賞の最終審査員でもあった本木克英(もときかつひで)監督に見出されついに映画化が決定したのが、この作品です。

更に、脚本家・土橋章宏(どばしあきひろ)は、この他に函館港イルミナシオン映画祭でグランプリ、TBS連ドラ大賞入選、
そして、小説でも伊豆文学賞受賞と今ノリにノリ、超高速!で発掘されまくっている人物なのです!

テンポよし! キャラも最高!
笑いだけでなく、涙もある! 熱くもある! シリアスもある! アクションがかっこ良すぎる! そしてスカッと勧善懲悪! この一本で確かな満足!

なにからなにまで超高速な土橋作品でぜひ、スカッとしてみて下さい!

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劇団天然ポリエステル劇団員。運動療育士。現在は声優養成所に通い、声優を目指しつつ、舞台、ちょこっと映像、webラジオ配信となんかもうたくさん奮闘中系女子。giorni feliciでは映画ライター担当*