鑑定士2
出典:http://www.cinematoday.jp/movie/T0018288

これはハッピーエンド?バッドエンド?観る人で変わるラスト!

天才的鑑定眼を誇る一流鑑定士にして、オークショニアでもあるヴァージル・オールドマン。

ある日、ヴァージルに電話で若い女性から鑑定依頼がくる。
依頼内容は資産家の両親が亡くなり、屋敷に遺された絵画や家具を査定してほしいというごく普通のものだった。
ところが…何度訪ねても依頼人は嘘を重ねて決して姿を現さない。
ヴァージルは不信感を抱くも、歴史的価値を持つ美術品の一部を見つけてしまい、依頼を断る事ができなくなってしまう。

やがて依頼人の正体に近づいていくヴァージル。そして彼の人生を大きく変える出来事に巻き込まれていく。

果たして奇妙な鑑定依頼の本当の目的とは?
ヴァージルにとってその真実はハッピーエンドなのかバッドエンドなのか?


出典:https://www.youtube.com/channel/UCRxDTCmIjgli-Xgh2KPE9dA

主演のジェフリー・ラッシュは「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのバルボッサ

物語はとても紳士的で少し偏屈そうな初老の男性が食事しているシーンで始まる。

それだけで物語に引き込まれる、不思議な魅力のある作品です。
一人食事をしている男性の厳めしいような、それでいて哀愁漂うような、何とも言えない雰囲気がその原因のほとんどといっても過言ではないでしょう。

そしてそんなヴァージル・オールドマンを演じるジェフリー・ラッシュの代表作が「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのバルボッサであると知って驚く人も多いようです。
そう、実はジェフリー・ラッシュは変幻自在のカメレオン俳優として有名な俳優さんなのです!

『シャイン』でアカデミー賞主演男優賞、『英国王のスピーチ』で英国アカデミー賞助演男優賞など多くの作品で評価されてるジェフリー・ラッシュの、
今の彼でしかできない最高の演技をみるならこの映画で間違いなしです!

『偽りのなかに真実がある』贋作の魅力とは?

物語の中で「贋作」がとても大事なキーワードになります。
価値のある贋作、有名な贋作画家の例として「ハン・ファン・メーヘレン」という“20世紀で最も独創的・巧妙な贋作者の1人”と言われる画家に注目してみました。
ハン・ファン・メーヘレンは「牛乳を注ぐ女」「真珠の耳飾の少女」等数々の絵画を残した17世紀の有名画家『ヨハネス・フェルメール』の贋作画家で有名です。

彼は17世紀の無名の絵画から絵具を削ぎ落としてキャンバス手に入れ、絵具、絵筆等、道具を当時と同じ物を自ら作成し、
少し新しい技術を加えるという方法で贋作を作っていました。
メーヘレンのその技術は、ナチス・ドイツを騙す程でした。
さらにそれが事件へと発展し、公になり、彼はナチスドイツを騙した英雄と言われることになります。

贋作というとそのまま真似をしているという印象になりがちですが、実はメーヘレンは手法や画き方がフェルメール風の新作を作っていました。

専門家よりフェルメールを知り尽くした彼の技術は、果たして、ただ人の真似をする偽物だったのでしょうか?
彼の作品を本物であると評価した人々の目は果たして、ふし穴だったのでしょうか?
ぜひともこの物語に触れた後にもう一度問い直してみてください!

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劇団天然ポリエステル劇団員。運動療育士。現在は声優養成所に通い、声優を目指しつつ、舞台、ちょこっと映像、webラジオ配信となんかもうたくさん奮闘中系女子。giorni feliciでは映画ライター担当*