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タイトルに騙されるな!

2014年12月20日の公開から評判を呼び、現在に至るまでアンコール上映が繰り返されている映画『百円の恋』。

このタイトルを見た時、“恋が百円?!よくあるコテコテの恋愛映画か?”などと思った人も多いかもしれない。

しかし、この映画は違う。

観ているうちに、身体の中から何かがフツフツと沸き立ち、終わる頃には

「ようし、いっちょやったるぞ!」

と映画館を飛び出し、街をかけ抜けたくなるような気持ちにさせられる。

そして、クセのある登場人物たちが一生懸命で人間臭く、愛おしく思えてくる。

とにかく安藤サクラがすごい。

ストーリーはこんな感じだ。
百円の恋 公式ホームページ

予告動画

一子(安藤サクラ)は、恋をした相手のボクサー・狩野(新井浩文)の影響でボクシングを始める。
お腹に肉がたっぷりと乗り、髪も伸びきった見苦しい見た目が、
ボクシングによって、みるみるうちに変わっていく。
体型から目つき、表情まで。この変わりようが凄いのだ。

安藤サクラすげぇ。恐るべし!となること間違いなし。

クリープハイプがすごい

主題歌を担当したのが、クリープハイプ。
2012年にメジャーデビューし、現在最高級に注目されているバンド。
ボーカルの尾崎世界観が作る詞の世界は、
マキタスポーツや千原ジュニアからも絶賛されている。

主題歌は「百八円の恋」。
タイトルが示すように、この映画のために作られた曲だ。
千原ジュニアから
「映画音楽で初ちゃうかな…冒頭、一行目が『もうすぐこの映画も終わる』って」
とツっこまれた衝撃の冒頭から始まり、
「痛い痛い痛い…」の連呼に続いていく。
これが、エンディングでまさに「痛く」効いてくるのだ。

最後まで見どころたっぷり *ネタバレあり

一子は32歳にして、最初で最後の試合に出る。そして負ける。
この試合シーンも、観ているこっちの息まで苦しくなるくらいに緊迫したスゴいシーンなのだが、
一番心打たれたのが試合後のシーン。

負けてしまった一子は、嗚咽を漏らしながら、狩野にこう言う。

「一度でいいから勝ちたかった」

この言葉は、試合のことだけでなく、不器用にしか生きてこられなかった、
今までの自分の人生や、色々な想いが詰まって出てきた言葉のように感じる。

このシーンは何度観ても涙なしには観られない。

そして流れる「百八円の恋」…。
「こんな私のことは忘れてね」と言われても忘れられない。

“変わりたい。けど、変われない”

“どうしてうまくいかないんだろう”

生きていれば誰でもそんな気持ちになることがある。

この映画を観て、一子に踏み出す勇気をもらおう。

たまにはカッコよく負けるのもいいじゃないか!

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よしの

音楽 時々 映画の日々。 某音楽大学に通いながら、趣味で映画を観てゆるーく生きています