“童話のような”大人のコメディ・ミステリー『グランド・ブダペスト・ホテル』
出典:http://www.foxmovies.jp/gbh/site/
アカデミー賞最多ノミネート作品『グランド・ブダペスト・ホテル』
ウェス・アンダーソン監督と豪華キャストで送られる“大人の”絵本。
美しい山々に優雅に佇むヨーロッパ最高峰の高級ホテル、“グランド・ブダペスト・ホテル”。
そのホテルの伝説のコンシェルジュ、“ムッシュ・グスタフ”。
彼の究極のおもてなしの秘密は、マダムたちの夜のお相手も辞さない徹底したプロ意識!
しかし…! そのおもてなしから大富豪の老婦人の殺人事件の容疑者としての疑惑を懸けられてしまう。
嫌疑をはらすべく、ムッシュ・グスタフは、愛弟子のベルボーイのゼロとヨーロッパを駆け巡る!
現代・1960年代・大戦前夜という3つの時代を舞台にした、絵本のように甘くかわいらしい夢のような世界観と、
そこに振りそそぐ時代背景と現実のスパイスに酔ってしまいそうな作品です!
出典:http://www.foxmovies.jp/gbh/
かわいらしい雰囲気と裏腹に!とある自伝を元にしたメッセージを込められた作品だった!?
この作品を最後まで観ていると最後に
「シュテファン・ツヴァイクの著作にインスパイアされた」
という字幕がでてきます。
絵本的でエンターテイメント的で、ずしっと重たいシーンもある、
この映画の独特のスパイスの理由がココに秘められていたのです。
シュテファン・ツヴァイクは第一次世界大戦で反戦活動をしていてたオーストリアのユダヤ系の作家・評論家で、
『マリー・アントワネット』『ロマン・ロラン』など歴史小説が特に有名です。
彼は、ナチスによる迫害のためイギリスに亡命し、
ついで北アメリカ、ブラジルへと渡った末に自害するという悲しい生涯をおくった作家でもあるのです。
そのツヴァイクが第一次大戦で戦功を上げた士官の告白を書いた『心の焦燥』、
ヨーロッパの精神史を取り上げた長編評論であり自伝である『昨日の世界』。
この二つの小説を元に作られたのがこの『グランド・ブダペスト・ホテル』だったのです。
この事実を知った上で映画を観ると、ラストに込められたメッセージになんとなく気づく事ができるかもしれません。
魅惑の都市!ドイツで最も美しい街『ゲルリッツ』
グランド・ブダペスト・ホテルはヨーロッパ大陸の東端に位置する架空の国「ズブロフカ共和国」にあるという設定です。
現代・1960年代・大戦前夜の3つの時代を画く設定にあうロケ地を見つけ出す為に
映画スタッフがヨーロッパ中を探しまわって見つけたのがドイツの「ゲルリッツ」だったのです!
ゲルリッツはドイツ最東端にある、500年前の歴史的建造物が3000個以上ある中世ユネスコ世界遺産に登録されている街。
中世ヨーロッパがそのまま保存されたような「ドイツで最も美しい街」と謳われています。
本当にある街並だと思うとより魅惑的に感じてしまうこと間違いなし!
この街の歴史と街並が生み出す物語の世界観をぜひとも堪能していただきたいです!
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